21世紀ニューノーマルな日本社会のあり方について

  • はじめに

常日頃から考えている、日本社会に関する問題点とその改善策ついてちょっとした記事を今回挙げて見ました。こうした記事を上げようとした経緯についてなのですが、新型コロナウイルスが日本に到来してから約半年が過ぎ、ありとあらゆる社会システムの刷新化が変化してきた事が背景にあります。

これからの社会を形成するに当たって、従来の社会の何が問題なのか、そしてそれをどうか解決していくべきなのか、そうした視点から今回の記事を挙げました。

 

  • 問題意識

まず、日本の社会の何が問題なのか。問題意識で挙げられるものとして、旧世紀の社会システムから脱却し現代に適応した社会システムへの刷新化が挙げられる。

日本国は現在、グローバル経済への国際競争に大きく後れを取っている。具体的には、日本は2000年代から現在に至るまで、諸外国に比べてGDPの成長率が低い。諸外国と日本のGDPの推移を見て見ると、かつて経済大国2位と呼ばれていたバブル経済(1986年~1991年)と東日本大震災以降(2010年以降)を比較して見ると、その差は歴然である。(図1-1)

 

図1-1 世界各国の1人当たりのGDP

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参考:penn world Table version9.1

 

この差を明確に決定づけているのは、『マス』的な人材の量産化による個人生産力の停滞が背景にある。つまり、日本は特定の領域で対応する「型」が決まった人材の利活用がメインとなっておりグローバル社会に適合し難い現状を形成している事を示唆している。このような「型」がはまった人材は確かにその領域では強いのかもしれないが、他領域と掛け合わせた『パーソナル』的な人材と比較すると希少性の観点において価値は低くなる。(図1-2)

>図1-2人材の価値の変動

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この問題に対峙するため、私達は旧世紀社会のサイクルからグローバル社会に適応したサイクルへ日本社会を転換していく必要がある。

 

 

  • 改善の機会

では、そのような問題を解決するにはどうすればいいのか。改善の機会で挙げるものとして、「教育の刷新化」が必要であると提言する。

これからのグローバル社会において国際競争を走り続けられるような人材は、バブル経済期に活躍した『マス』的人材ではなく、現代の多様な環境に適応できる『パーソナル』的人材である。(図2-1)

 

図2-1『マス』的人材と『パーソナル』的人材

 

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このような人材を日本に輩出していくための必要な要素として企業形態、国家制度、など様々考えられるが、とりわけ重要なのはそれらを支える『基盤』が充分に機能している事である。では、その『基盤』とは何なのか。それは人間を形成する領域――教育――であると私は推察する。

 現在の日本教育は、いうなれば「出る杭は打たれる」教育システムが採択されている。

例えば、日本の大学の教養課程は生物を学ぶ学生は生物学科、物理を学ぶ学生は物理学科というように、「1つ」の学問に特化した教育を行っている。これでは、学生がいざ社会に出た時その学問領域外ではほとんど役立たず、新しい未来を形成するという柔軟な思考力は生まれない。柔軟な思考力を形成するには多様なチャネルが必要である。

では、そのチャネルとはどのようなものがあるのか。これは大きく分けて2つある。1つは、日本の学問領域を単独ではなく複数の学問領域と掛け合わせて教育をハイブリット化し、学生を「内側」から育成する方法である。そして、もう1つは学生を企業で活躍する深い知識・経験を持ったシニア世代と結びつけて、若者(ジュニア)と企業(シニア)のチャネルを形成し、学生を「外側」から育成する方法である。とりわけ、学生と民間企業とのコネクションを形成していく上でこのようなチャネルは重要である。(図2-2)

 

図2-2 チャネル形成による教育の刷新化

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まとめると、私達はこれからの未来を形成する人材を形成していくために、その基盤及び根幹部分である「教育」の刷新化、特に学生と企業による「外側」のチャネル形成はとりわけ重要である。

 

 

  • 具体的な施策

そのような改善策を移すには具体的にはどのようにすればいいのか。私が考えている取り組みは、(前述に述べた)「外側」による教育の刷新化――若者(学生)と企業(シニア)のチャネル形成に焦点を当てた試みを行う事だ。

現在日本には、ジュニア世代が約597万人(注1)、シニア世代は約1309万人(注2)存在している。(図3-1)

 

注1:対象年齢は15~24歳を抽出(高等学校入学~四年生大学卒業の期間)

注2:対象年齢は60~74歳を抽出(シニア世代の企業の引退期間)

 

図3-1 人口推計(平成30年度)

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参考:総務省統計局(H30年度版)

これを単純計算すると、若者1人当たり2.2人のシニアに相当しており、これは1人の若者に2人のシニアの知識リソースを提供できる事を示唆している。少子化による若者の個人の未来投資の観点から考えても、このリソース活用は重要な意味を持つ。

今回私が考えている施策として、このリソース活用するプラットフォームを形成する事である。まず、若者と企業を繋げるためのプラットフォームを構築する。次に深い知識を持った職業人(もしくは引退した)シニアを選出する。そして、その選抜した貴重なリソースを未来有望な若者にオンラインでアタッチメントする。最終的には、この仕組みをサイクル化し、若者とシニアの相互関係を構築し、持続的な日本社会の成長を実現する事を目標にする。(図3-2)

 

図3-2 若者とシニアのチャネル形成するプラットフォームの全体図

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この仕組みの特徴は、まずシニアから見ると今まで培ってきた知識・経験を若者に『価値』として提供でき、生活面は勿論の事、社会的・経済的な面で日本社会に大きく貢献が可能である。また一方で、若者からして見ても学問領域内では学べない先人達の知識・経験をオンライン上で学べるため、質の高い人材として育成する事が可能となる。とりわけ、これは地方学生などの地理的な制約を受けた若者に極めて有効である。更に、プラットフォームの意義からして見ても、日本社会の成長に貢献する自社の社会的価値の向上に繋がる。

また、この度のwithコロナ社会の事を鑑みて見ると、若者と企業との繋がりをオンライン上でどう接続していくかを考えていく事もこの取り組みにおいて重要である。なぜならば、この取り組みはwithコロナ社会に適応させていくと同時に、次世代のニューノーマルにおける日本の新しい社会のデフォルトスタンダードを形成していく面でも重要な要素になりえるからである。

 結論をまとめると、今後の日本社会を立ち上がらせるデフォルトスタンダードを形成するために、私は若者とシニアのチャネル形成するプラットフォームを実装する事が重要であると提言する。

  • 終わりに

この記事は自身が考えている、日本社会の課題及び日本教育の歪さを言語化した内容です。どうすれば日本社会をシステマチックに解決できるのか、理不尽な日本教育を今後どのように対処していくべきなのか、そんな事を考えながら作成しました。

ここまでお読み下さりありがとうございました。もし、この記事に共感しコメント・メッセージ頂ければ嬉しいです。